『ドグマンダラ』終幕!御礼挨拶と主宰より
ノミヤです。
改めまして、蟲喰い公演『ドグマンダラ』多くの方にお力添えいただき、無事終幕することが出来ました。
座組の俳優陣・スタッフ陣ひとりひとり、応援し気にかけてくださった方々、関わってくれたすべてのみなさま。
そして、実験にご参加くださり、作品を見届けてくれたあなたに、
心からの感謝を込めて。
本当に、ありがとうございます。
だいすきだ。一生嫌われても、遺伝子のはじまりから末代まで、愛している。
何よりもお伝えしたいことは以上です。
どう足掻いても、感謝のすべてをことばに置き換えることは不可能です。ことばとともに生きると決めておきながら、それに向き合うほどに、ことばの無力さを痛感する機会が増えてゆきます。矛と盾が無限ダンスです。
そして、すこしだけ、お知らせを。
超近日中に、
◎「ドグマンダラDVD」&「吟遊演舞/オロチ 完全版朗読CD+ブックレット」先行予約販売について
◎今後のシックスペースの活動について
のお知らせを、公式から発信致します。ご注目ください!
先行予約販売については、
今回残念ながら会場へお越しいただけなかった方や、急いでて注文できなかった……という方からお声をいただいたため、【三月末まで】予約の受付をさせていただくことに決まりました!
送料などお得・先行予約限定の特製特典付きですので、
気になる方はぜひ、詳細をお見逃しなく、この機会にご注文いただければと思います(^^)!
以下しばらくの文面は、まったくの蛇足です。
興味のない方はしばらくスクロールしていただき、公演写真までおすすみください。
呪いについて。同義のものとして、祈りについて。
座組のみなさんとともに、考えてきた作品でした。
「どんなはなしになるかはみんな次第ですが、わたしは、とりあえず全力の呪詛を吐きます!」
と、豪語したのを忘れてはいません。
実際に筆を執ってみると、それはもう、予想をはるかに上回り難しいことでした。
臆病が過ぎて、夜、眠れない子供でした。
眠っている間にばくだんがとんできたら。ごうとうにおそわれたら。じしんでつぶされたら。
毎晩、自分はよいこだったか。しんだら天国にいけるか。天国にはともだちや、ねこのだいちゃんや、おとうさんおかあさんおばあちゃん、しんだおばちゃんもみんないるのか。
何回も聞いて、何度も「大丈夫」といってもらわないと、恐ろしくて寝つけませんでした。
流石に、母をつかまえて繰り返し質問をすることはなくなりました。
けれど、「大丈夫」と何回いわれても信じることが出来ないいまでは、ある意味であの頃以上に、毎晩が恐ろしい。
そして毎朝、今日が来たことに、ガッツポーズをしています。
自分にとって現世は、失い難いものです。
同時にいつかは必ず、必ず、失うことがわかりきっているものです。
ありとあらゆる耐え難い痛み、をなにひとつ知らず大人になった自分にとって、
その事実に勝る切実な恐怖など、無いように思います。
そして、平和ボケ代表の自分が、どんなに切実になにを思って感じたところで、この作品を通して描きたいことを描くには足らないのではないか。
白状すると本当に不安になった瞬間がありました。
たとえば十数年前。
崩壊していく建物をみながら、
画面越しに爆撃される街をみながら、
飢餓にふるえるこどもをみながら、
もしかしたらあの中に、自分のだいすきな友人がいつか出逢って恋をする相手の、相棒と呼べる存在になるかもしれないひとがいるかもしれない。と想像しながら、
おとなの頭の悪さに対して殺意と等しい激しい憎悪を抱いたこと。 それと同時進行で、
宿題を片付け、明日遊ぶ約束をして、夕飯が油ものばっかじゃん!と親と喧嘩している自分に、 その幸福と自分自身のみにくさに対して、まだ適切なことばを思いつけていない感情で、満杯になったこと。
たとえばもっと身近な、いっしょにいるひとの痛みですら、どう足掻いても他人事でしかいられないとわかりきっているのに。
手の中の幸福について祈る度、
稚拙な呪詛が無尽蔵に、湧いてきます。
記号としてしんでゆく言葉に、同時に殺される想像力に、ふえてゆくばかりの境界線に。
このせかいはほんとうに、うつくしいのに。
結論から云うと、自分はどうにも足りません。
生涯足りないやもしれません。
不安なままです。
それでもなんとか、作品世界をかたちにできたのは、
きれいごとではない真実として、いきてくれたひとたちや、見届けてくれたあなたや、そこへ繋がる無数の意図があったからです。
どうしても「みんな」がすきであること以上に、等身大なことがないのも事実です。
いつかはすっかり夢になってしまう愛すべき現に、執着せずにはいられません。
自分が希望ある悲劇を描きたいのはつまり、日常が絶望的に幸福だからこそなのです。
「せんせい」のように、イトを吐き出し続けることは恐らく自分には難しいけれど。
境界を越えてときには破戒して、それらを繋ぎつづけてゆきたいと思います。
戯曲の真実の役目は観客という存在をなくすことだと信じて。
どうか見届けて、願わくは巻き込まれてください。
……長々書いたけど、
本当に蛇足になってしまいました。赦してください。
ここから、
非売品(完全初公開)含む、公演写真の一部を紹介してゆきます。
ご参加くださった方もそうでない方もぜひ、
ご覧ください!
(撮影 柳澤りな)
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